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切削加工の種類

切削加工とは機械加工の一つで、工具や加工物を回転させながら目的の形状に加工を行う技術です。切削加工にもさまざまな種類があり、再現したい形状によって加工方法を使い分けます。ここでは、切削加工の種類について解説します。

目次

切削加工とは

切削加工とは、金属やプラスチック、さらには木材などのブロック状の素材(ワーク)に対して、より硬い刃物などの工具を当てて不要な部分を削り落とし、目的の寸法や形状へと仕上げていく機械加工技術のことです。加工の仕組みとして、主に素材そのものを回転させて工具を当てる「旋削加工」と、素材をテーブル等に固定して回転する工具を当てる「転削加工」の2つに大別されます。

金型を作成して大量生産を行う鋳造やプレス加工などとは異なり、一つひとつの部品を削り出すため、図面やプログラムの変更だけで柔軟に異なる形状を作ることが可能です。そのため、開発初期の試作品製作から、高い品質が求められる量産品まで幅広い製造現場で重宝されています。また、サブミクロン単位での高い寸法精度を出しやすく、表面を滑らかに仕上げやすい傾向があるのも大きな特徴です。

切削加工の種類

切削加工には、旋盤加工とフライス加工、穴あけ加工の3種類があります。それぞれどのような加工なのか具体的に詳しくみていきましょう。

旋盤加工(旋削加工)

MISUMI公式HPキャプチャ画像
引用元:MISUMI公式HP
(https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/metal-machining/25192/#切削加工の種類)

旋盤加工(旋削加工)は、円柱状の素材(加工物)をチャックと呼ばれる保持具でしっかりと固定し、高速で回転させているところに「バイト」と呼ばれる刃物をあてて削っていく加工方法です。ろくろを回すように素材自体を回転させながら削っていく仕組みのため、シャフト、ボルト、ピン、フランジといった円筒形状や円すい形状の部品を製作するのに適している傾向があります。

外側を削る外径加工だけでなく、ドリル等を使って内側をくり抜く内径加工(中ぐり)、ネジ山を作るねじ切り加工、素材を切り離す突切り加工など、多様な処理を一つの機械で行えるのが魅力です。使用される工作機械には、作業者が手動でハンドルを操作して微調整を行う汎用旋盤から、あらかじめ作成したプログラムによって自動で高精度な加工を行うNC旋盤やCNC旋盤などがあり、用途によって使い分けられています。

フライス加工

MISUMI公式HPキャプチャ画像
引用元:MISUMI公式HP
(https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/metal-machining/25192/#切削加工の種類)

フライス加工は、作業テーブルにしっかりと固定したブロック状の素材に対して、高速回転させた複数刃を持つ工具(フライス)をあてて削っていく加工方法です。旋盤加工が丸い形状を得意とするのに対し、フライス加工は四角い「角物部品」の製作によく用いられます。
広い平面を削る際には「正面フライス」、側面を削ったり溝を掘ったり複雑な輪郭を作ったりする際には「エンドミル」など、用途に合わせて工具を取り替えることで、平面加工、段加工、ポケット加工といった多様な形状に対応できるのが特徴です。

代表的な機械には、職人の手感覚で操作する汎用フライス盤や、プログラムで制御するNCフライス盤があります。さらに近年では、コンピュータ制御に加えて自動工具交換装置(ATC)を備え、穴あけやフライス加工などの複数の工程を一台で無人で行える「マシニングセンタ」が主流となっており、製造効率の向上に貢献しています。

穴あけ加工(ボール盤)

MISUMI公式HPキャプチャ画像
引用元:MISUMI公式HP
(https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/metal-machining/25192/#切削加工の種類)

穴あけ加工は、ドリルなどの先端工具をモーターで高速回転させながら、素材に対してまっすぐに押し当てて穴をあけていく加工方法です。一般的には「ボール盤」と呼ばれる専用の機械が広く使用されており、作業台(テーブル)に素材を固定し、主軸を下ろすことで加工を行います。

貫通穴や途中で止まる止まり穴をあけるのが基本ですが、単にドリルで穴をあけただけでは内側の表面が粗かったり、寸法に微小な誤差が出たりすることがあります。そのため、より精度を求める場合には、あけた穴の内面を滑らかに整える「リーマ加工」が追加で行われます。さらに、ボルトを留めるためのメネジを作る「タップ加工(ネジ切り)」や、ネジの頭を沈めるための段付き穴を作る「座ぐり加工」など、複数の工具を順番に組み合わせることで、多様な用途の穴を正確に作成することが期待できます。

制御方式による分類:汎用切削とNC切削

職人の技術が光る「汎用切削」

汎用切削は、作業者がハンドルを直接操作しながら刃物を動かす伝統的な加工方法です。プログラムを作成する必要がないため、図面がない一点物の修理や、単純な形状の追加工において非常にスピーディーに対応できる傾向があります。また、手先の感覚で切削抵抗を感じ取ることが可能であり、熟練した技術者による微調整が製品の質を左右するケースも少なくありません。現代でも試作開発の現場やメンテナンス業務などで重宝されており、短納期での単品製作において強みを発揮する重要な手法の一つといえるでしょう。

自動化と高精度を実現する「NC切削・CNC加工」

コンピュータ数値制御(NC)を用いた加工は、あらかじめ作成したプログラム通りに機械が自動で動作する仕組みを指します。同じ動作を何度でも正確に繰り返すことができるため、品質のバラつきを抑えながら中量から大量の生産を行う際に極めて高い効率を維持することが可能です。また、人の手では不可能な複雑な3次元曲面の加工も得意としており、現在の製造業における主流の方式となっています。高度なプログラミング能力は求められますが、人為的なミスを減らしつつ高精度な部品を安定して供給することが期待できる方式です。

刃物の送り方向による種類の違い(フライス加工)

仕上がり面が綺麗な「下向き削り(ダウンカット)」

ダウンカットは、カッターの回転方向と材料を送る方向が一致する加工方法です。刃が材料に食い込む際に最も厚い切り屑が発生し、抜ける際に薄くなるため、加工表面が滑らかに仕上がりやすいという特徴を持っています。工具の摩耗を抑えやすく、加工精度を安定させやすいことから、現在のマシニングセンタなどを用いた加工では一般的に推奨される手法です。ただし、機械側にガタつきがあると材料が引き込まれるリスクがあるため、剛性の高い設備で使用することが基本の条件となります。

機械への負担が少ない「上向き削り(アップカット)」

アップカットは、カッターの回転方向と材料の送り方向が逆になる加工方法を指します。刃が材料の下から上へと掬い上げるように動くため、切り屑は徐々に厚くなるのが物理的な特徴です。食い付き時に摩擦が生じやすいため表面粗さはダウンカットに譲る傾向がありますが、古い機械などのバックラッシがある環境でも安定して削れる利点があります。また、鋳物のように表面が非常に硬い材料を削る際、内部の柔らかい部分から刃を入れることができるため、工具の刃先を保護する目的で採用されることもある手法です。

加工の「目的」による種類の違い:荒加工と仕上げ加工

効率的に形状を作る「荒加工」

荒加工は、最終的な製品形状に近づけるために、不要な部分を一気に削り落とす初期工程のことを指します。ここでは表面の綺麗さよりも、単位時間あたりにどれだけの材料を除去できるかという効率性が最優先されるのが一般的です。大きな刃物を使用して深い切り込み量で加工を行うため、材料には大きな負荷や熱が発生しやすくなります。この段階で精密な寸法を狙うのではなく、後の仕上げ加工のために適切な「取り代」を残しておくことが、最終的な品質を安定させるための重要なポイントです。

精度と表面粗さを整える「仕上げ加工」

仕上げ加工は、荒加工で残された取り代を薄く削り、図面で指定された通りの寸法精度と表面の滑らかさを実現する最終工程です。小さな切り込み量と高い回転数、そして精密な送り速度を組み合わせることで、ミクロン単位の誤差を制御しながら美しい外観を作り上げます。工具も仕上げ専用の精度の高いものを使用し、刃先にかかる負荷を最小限に抑えながら慎重に作業が進められます。製品の機能性や組み立て時の適合性を決定づける非常にデリケートな工程であり、切削加工の技術力が最も問われる場面といえるでしょう。

切削加工で製作できる部品

切削加工を使えばさまざまな形状の部品を製作することが可能です。ここでは、切削加工で製作ができる代表的な部品の一例をいくつかピックアップしてご紹介します。

1~2軸加工品

1方向から穴あけや切り込みを入れてできた形状の加工品です。平板にネジ穴やキリ穴をあけたベースプレートや、面取りや一部切り欠きしたブロックなどが挙げられます。加工の難易度が比較的容易なのがこのタイプの加工品です。

多面加工品

1~2軸加工品を1方向からだけでなく、多方向から穴あけや溝、切り欠きなどの加工を施した加工品です。1方向から加工した後に素材をひっくり返して、別方向から加工を行います。なお、この一連の作業の流れは、段取り替えとも呼ばれています。

3軸加工

3軸加工とは、自由曲面など滑らかな局面を削る方法のことを指します。シンプルな形状だけでなく、人や動物など複雑な曲線をもつ立体物をスキャンして3軸加工することも可能です。主に射出成型部品などの金型を切削加工で製作する際に使用されています。

多軸加工品

ブロック型のようなシンプルな形状だけでなく、複雑な形をした素材にも加工が行えます。自由曲面と穴加工などの組み合わせが多く、航空部品でよく見かけられる加工品です。手動で素材の向きを色々と変えたり、5軸加工機を使ったりすることで多軸加工品が製作できます。

同時多軸加工

翼形状をもつインペラやローターブレードのような複雑形状をもつ加工品が代表的です。同時多軸加工では、5軸加工機や複合加工機などを使い、本体や工具を同時に高速回転させることで入り組んだ形状を加工します。切削加工だからこそ再現できる形状です。

まとめ:最適な切削加工の種類を選定するために

切削加工の世界には、工作機械の種類だけでなく、制御の方法や刃物を動かす向き、そして加工の段階に応じた多種多様な手法が存在しています。それぞれの種類には独自の特性があり、コストや納期、求められる精度に合わせて最適なものを選択することが製造の現場では常に求められます。

基本となる旋盤やフライス加工の知識に加え、今回解説したような工程ごとの役割や制御方式の違いを理解しておくことは、設計や発注の精度を高めることにもつながるはずです。

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切削加工を行う会社は多くありますが、いざ問い合わせると特定の要望に対応できなかったり、不良品がでてコストがかさんだりすることも…。 当サイトを読めば、もう断られない切削加工会社が1分で見つかります。

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依頼者の事情や加工品によって異なる、様々な要望に応えてくれる切削加工会社を紹介します。
なお、ここで紹介する会社は、信頼できる加工会社を選ぶ際に大前提として押さえておきたい、下記2つの規格を保有する会社の中から選定しています。
・品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」
・信用性の観点から、国際的な環境マネジメント規格「ISO14001」

半導体製造装置
医療装置など
難削材の加工なら
守谷刃物研究所
守谷刃物研究所公式HP
引用元:守谷刃物研究所公式HP
(https://www.moriyacl.co.jp/)
  • インバー、軟質磁性材、工具鋼、ステンレス鋼、チタン合金、超耐熱鋼など、難削材の加工に自社一貫で対応
  • より高精度の加工ができる研削加工にも対応し、部品の高精度化が求められる各種先端分野でも技術を提供

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自動車部品など
大量生産の加工なら
キュリアス精機
キュリアス精機公式HP
引用元:キュリアス精機公式HP
(https://automatic-turning-processing.com/)
  • 国内に3工場・海外に1工場をもち、月産3,000~100万個以上もの量産対応を実現
  • 大手自動車部品メーカーと毎年試作開発を行ってきたノウハウで、自動車部品の量産に向けた試作にも対応

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プラスチック製品など
樹脂の加工なら
プラスチック加工興和
プラスチック加工興和公式HP
引用元:プラスチック加工興和公式HP
(https://www.koowa-tec.co.jp/index.html)
  • スーパーエンプラや高機能樹脂にも対応できる、プラスチックの加工に特化した専門メーカー
  • 温度により測定値が変化するプラスチックの特性に対応した検査室をはじめ、品質管理体制が整っている

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※選定基準:2024年2月28日にGoogleにて「切削加工」「研削加工」と検索した際に表示される切削加工・研削加工に対応する会社123社を調査しました。(切削加工を依頼した際に、素材や精度により研削加工が必要になるケースもあることから、「研削加工」も含めて調査しています。)その中でも、ISO9001及びISO14001を取得する会社の中から、下記の基準でそれぞれ選定しています。
・守谷刃物研究所…難削材の加工に求められる切削加工・熱処理・研削加工を自社一貫で行う会社の中でも、難削材に対応した加工事例掲載が35件と最も多く(2024年3月調査時点)、難削材が使われやすい半導体製造装置や医療装置を得意としていると判断。
・キュリアス精機…ひと月あたりの生産可能個数が100万個以上と最も多く(2024年3月調査時点)、大量生産が求められる自動車部品の加工を得意としていると判断。
・プラスチック加工興和…樹脂の加工に対応する会社の中で、唯一樹脂の加工を専門とする会社と公式HPに記載されているため、プラスチック製品の加工を得意としていると判断。