切削抵抗とは、切削加工の際に被削材が刃物を押し戻そうとする力のことです。力が掛かる方向には「主分力」「送り分力」「背分力」があります。これら3つが合わさった力が切削抵抗で、主分力・送り分力・背分力のうち、どの力が大きくなっても抵抗は大きくなります。
これらの力が大きくなる原因は、被削材の材質や切削速度、切込み量、刃先角度の大きさなど様々です。たとえば、被削材の材質が硬い場合、切削するにはより大きな力が必要となります。工具に大きな負担がかかりますし、切れ刃が被削材に接触するときの衝撃も増大します。
切削抵抗を適切に保つことは、切削加工における品質向上や工具の寿命延長、加工効率を最適化する上で重要です。
切削抵抗が大きいと、切削加工の様々な場面で影響が引き起こされます。主な影響は以下の通りです。
被削材の材質が硬い場合、切削抵抗が大きくなり熱が多く発生します。
切削加工時には摩擦が起きるため、被削材の材質を問わず必ず熱が発生します。そのため、加工時には耐高熱性や耐摩耗性といった熱や摩擦に優れた刃物を使用しますが、熱が増加しすぎると被削材や刃物に変形を起こす可能性があります。
切削抵抗が大きくなると、その分刃物にかかる熱が大きくなり、切削の精度が落ちる場合があります。熱による影響は刃物の寿命をも左右するため、切削加工の際には熱が発生し過ぎないようにすることが大切です。
特に、刃物の推奨範囲速度を超えて高速で切削すると、発生した熱が刃物に影響しやすくなります。
切削抵抗が大きくなると、工作機械の主軸モーターや送り機構にかかる負荷が増加します。これにより、モーターの回転速度や送り速度が低下し、結果として切削速度が減少します。
切削抵抗の増大で効率的な切削が阻害されるのも、速度低下の一因です。切削抵抗が大きいと、工具に加わる力が増大し工具の変形を招きます。すると、切削に適切な角度や位置を保つことが難しくなり、切削速度が低下してしまいます。
理論上の切削抵抗を下げても解決しないのが、難削材や磁性材加工の難しいところです。当メディアが厳選した難削材の加工に強みを持つ切削会社なら、適切な条件出しで高精度な加工を実現してくれるでしょう。ぜひチェックしてみてください。
切削精度や速度に影響を起こさないためには、切削抵抗を下げることが大切です。以下のような切削条件の見直しによって切削抵抗は下がります。
切削の際の切り込み量が小さいほど、周期的な変動が少なくなって切削抵抗が下がります。ただし、切り込み量が少な過ぎてしまうと、今度は切り込み角が小さくなって背分力にかかる力が大きくなってしまいます。
切削抵抗を下げるためには、いかに適切な切り込み量を見つけられるかがポイントです。
せん断角とは、切れ刃と被削材の相対関係を示す角度です。せん断角は、被削材の延性とすくい角、すくい面の摩擦によって決まり、すくい面の摩擦は被削材と工具材質の組み合わせや温度によって変化します。
すくい角を調整して大きくすると刃先が鋭利になり、せん断角が大きくなります。すると、切削抵抗は小さくなります。
工具やワークの回転数を上げ、切削速度を高速にすると切削抵抗は小さくなります。切削速度を上げることで材料のせん断面に熱が集中し、切りくず接触長さが短くなるからです。
回転数が低いことが原因で切削抵抗が大きくなっている場合は、回転数を上げて高速にしましょう。
切削液を使用するのも切削抵抗を下げるために有効です。切削液が工具と被削材の間に潤滑膜を形成し、摩擦を減少させます。
また、切削液の冷却効果によって切削点の温度上昇を抑えられます。これにより被削材の強度が維持され、切削抵抗が小さくなります。
磁性材(純鉄・パーマロイ)など難削材の加工も自社で一貫対応できる技術を持つ守谷刃物研究所。難削材の切削事例を多数持ち、これらのノウハウから、切削抵抗を熟知した対応を可能にしています。
下記のようなお悩みを持っている方は、ぜひ守谷刃物研究所へ磁性材・難削材の切削加工について問い合わせてみてください。
切削抵抗が高いと、工具に大きな負荷がかかるため、すぐに使い物にならなくなってしまいます。また、切削過程で発生する熱による工具への影響も大きく、工具の変形が切削速度や精度の低下を招くという悪循環を引き起こします。切削精度が落ちるとむしれなどが顕著に表れるため、守谷刃物研究所のように磁性材・難削材でも精度を保って切削してくれる技術や実績がある業者に依頼するのがおすすめです。
軟磁性材(純鉄・パーマロイ)を始めとして、SUS304などのステンレス鋼やチタン合金などの難削材は特に加工硬化を起こしやすい素材です。切削抵抗が大きい素材は、強い圧力が加わるため加工面が硬化しやすく、その表面に対してさらに工具で削っていくと、工具が急激に摩耗するなどダメージを受けてしまいます。そうなると上述のように切削速度・精度の低下に繋がるのです。加工硬化を防ぐには、鋭い刃を使用するか、刃先を素材に浅くこすりつけずに硬化層の下まで一気に切り込む必要がありますが、これらの加工は非常に難しく、専門性・実績のある業者に依頼するのが賢い選択と言えます。守谷刃物研究所では軟磁性材の磁性処理にも対応していて、熱処理まで一貫施工できる強みを持っています。
守谷刃物研究所公式HPで磁性材への
対応内容・加工事例を見てみる
磁性材を削る際に抵抗で高熱が加わると、透磁率の低下や鉄損の増加など、磁気特性が変わってしまいます。これらはモーターコアや半導体製造装置、医療機器の製造において無視できない問題です。
磁気特性を保つためには、熱処理を行うことが一般的。これにより、熱を加えた後にゆるやかに冷ましていくことで、切削加工でかかった負荷を低減させ、本来の磁気特性を回復させるという手法です。守谷刃物研究所は切削加工後の熱処理まで自社で一貫対応ができる強みを持っています。

切削抵抗は切削条件だけでなく、被削材の特性によっても大きく変化します。同じ条件で加工しても材料ごとに抵抗の発生の仕方や影響は異なるため、それぞれの特性に応じた対策が求められます。ここでは代表的な難削材と磁性材における切削抵抗の傾向と、その対処方法について解説します。
チタンやニッケル合金などの難削材は、硬度が高く、かつ熱伝導率が低いという特性を持っています。そのため、切削時に発生した熱が逃げにくく、切削抵抗や熱が刃先に集中しやすい傾向があります。これにより工具摩耗が急速に進行し、刃先欠損や精度低下を引き起こすリスクが高まります。
対策としては、高剛性で耐熱性に優れた工具の使用に加え、切削速度を抑えつつ送り量を確保する「低速・高送り」といった条件設定が有効です。また、切削液による冷却や潤滑を適切に行い、熱の集中を抑えることも重要です。
純鉄や電磁ステンレスといった磁性材は、比較的柔らかく粘りが強いという特徴があります。このため、切削中に材料が刃先にまとわりつきやすく、むしれや溶着が発生しやすい点が大きな課題です。その結果、理論上の数値以上に切削抵抗が不安定となり、加工面粗さの悪化や寸法精度のばらつきにつながります。
対策としては、切れ味の鋭い工具を使用し、溶着を防ぐことが基本です。加えて、適切な切削速度や送り条件の設定、十分な切削液の供給によって摩擦を低減し、安定した切削状態を維持することが重要です。
切削加工を行う会社は多くありますが、いざ問い合わせると特定の要望に対応できなかったり、不良品がでてコストがかさんだりすることも…。 当サイトを読めば、もう断られない切削加工会社が1分で見つかります。
依頼者の事情や加工品によって異なる、様々な要望に応えてくれる切削加工会社を紹介します。
なお、ここで紹介する会社は、信頼できる加工会社を選ぶ際に大前提として押さえておきたい、下記2つの規格を保有する会社の中から選定しています。
・品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」
・信用性の観点から、国際的な環境マネジメント規格「ISO14001」



※選定基準:2024年2月28日にGoogleにて「切削加工」「研削加工」と検索した際に表示される切削加工・研削加工に対応する会社123社を調査しました。(切削加工を依頼した際に、素材や精度により研削加工が必要になるケースもあることから、「研削加工」も含めて調査しています。)その中でも、ISO9001及びISO14001を取得する会社の中から、下記の基準でそれぞれ選定しています。
・守谷刃物研究所…難削材の加工に求められる切削加工・熱処理・研削加工を自社一貫で行う会社の中でも、難削材に対応した加工事例掲載が35件と最も多く(2024年3月調査時点)、難削材が使われやすい半導体製造装置や医療装置を得意としていると判断。
・キュリアス精機…ひと月あたりの生産可能個数が100万個以上と最も多く(2024年3月調査時点)、大量生産が求められる自動車部品の加工を得意としていると判断。
・プラスチック加工興和…樹脂の加工に対応する会社の中で、唯一樹脂の加工を専門とする会社と公式HPに記載されているため、プラスチック製品の加工を得意としていると判断。